自宅で手軽に炭酸水が作れるソーダストリームは、私たちの生活にちょっとした楽しみと潤いを与えてくれます。しかし、長年愛用していると「最近、ガスの減りが異常に早いかも?」「作るときにシューッと変な音がする…」「本体の周りが濡れていることがある」といった、気になる症状が出てくることがあります。その原因、もしかしたら内部の「パッキン」が劣化しているサインかもしれません。
パッキンは、ガスシリンダーと本体の接続部分の気密性を保つための重要なゴム製の部品です。これが劣化すると、ガス漏れや水漏れを引き起こし、炭酸がうまく作れなくなってしまうのです。この記事では、ソーダストリームのパッキンが劣化したときに見られるサインから、その原因、そして対処法まで、誰にでも分かりやすく、そして詳しく解説していきます。お使いのソーダストリームに少しでも異変を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ソーダストリームのパッキン劣化が疑われるサインとチェック方法

ソーダストリームを長く使っていると、少しずつ部品が消耗していきます。特にゴム製のパッキンは劣化しやすい部品の一つです。ここでは、パッキンの劣化が疑われる具体的なサインと、ご自身で簡単にできるチェック方法をご紹介します。
ガスの減りが異常に早い
「この前ガスシリンダーを交換したばかりなのに、もう空になってしまった」と感じる場合、パッキンの劣化によるガス漏れが考えられます。 パッキンが劣化して硬くなったり、ひび割れたりすると、本体とガスシリンダーの間に隙間ができてしまい、炭酸水を作る時以外にも少しずつガスが漏れ出てしまうのです。
普段の使用頻度と比べて、明らかにガスの消費が早いと感じたら、パッキンの状態を疑ってみましょう。例えば、いつもは1ヶ月もつガスシリンダーが、2週間程度で空になってしまうようなケースは注意が必要です。
「シュー」という異音が聞こえる
炭酸水を作るためにボタンを押しているとき以外に、本体から「シュー」「プシュー」といった微かな音が聞こえる場合も、ガス漏れのサインです。 特に、ガスシリンダーを取り付けた直後や、使用していない静かな時に音が聞こえる場合は、パッキンの劣化によって気密性が保たれていない可能性が高いでしょう。
この音は、パッキンの隙間から二酸化炭素ガスが漏れ出ている音です。音が聞こえたら、まずはガスシリンダーがしっかりと締まっているかを確認し、それでも音がやまない場合はパッキンの点検をおすすめします。
本体やボトル周辺が濡れている(水漏れ)
炭酸注入時に、ボトルの取り付け口や本体の下が濡れている場合も、パッキンの劣化が原因の一つとして考えられます。 パッキンはガスの気密性を保つだけでなく、水の密閉にも関わっています。パッキンが劣化して弾力性を失うと、炭酸ガスを注入した際の圧力に耐えきれず、ボトル内の水が隙間から漏れ出してしまうことがあります。
もちろん、ボトルが正しく装着されていない、水の量が多すぎるといった原因も考えられますが、これらを確認しても水漏れが改善しない場合は、パッキンの劣化を疑ってみる必要があります。
炭酸が弱く感じる
いつもと同じように炭酸を注入しているのに、出来上がった炭酸水が以前より弱いと感じる場合も、パッキンの劣化が関係している可能性があります。 これは、注入したガスの一部がパッキンの隙間から漏れてしまい、水に溶け込むガスの量が減ってしまうために起こる現象です。
「ボタンを押す回数を増やさないと、いつもの強さにならない」「最大レベルで注入しても微炭酸にしかならない」といった症状は、ガスが効率的に水に注入されていないサインと言えるでしょう。 このような場合も、パッキンの状態を確認することが大切です。
なぜ?ソーダストリームのパッキンが劣化する原因
毎日使っているソーダストリームのパッキンは、なぜ劣化してしまうのでしょうか。その主な原因を知ることで、今後の対策にも繋がります。ここでは、パッキンが劣化する3つの主な原因について解説します。
経年劣化によるゴムの硬化
パッキンの主な素材はゴムです。ゴムは時間の経過とともに、どうしても硬くなったり、弾力性が失われたりする「経年劣化」が起こります。 ソーダストリーム本体を適切な環境で使っていても、数年使用すればパッキンは少しずつ劣化していきます。
特に、温度や湿度の変化はゴムの劣化を早める要因となります。直射日光が当たる場所や、コンロの近くなど高温になりやすい場所に本体を置いていると、パッキンの硬化が進みやすくなるため注意が必要です。
ガスシリンダー交換時の締めすぎ・緩すぎ
ガスシリンダーを交換する際の取り付け方も、パッキンの寿命に影響を与えます。 ガス漏れを心配するあまり、力任せにシリンダーを締め付けすぎると、パッキンに過度な圧力がかかり、変形やひび割れの原因となります。逆に、締め付けが緩すぎると、パッキンとシリンダーの間に隙間ができてしまい、ガス漏れを引き起こすだけでなく、パッキンが正しい位置に収まらずに部分的な負荷がかかり、劣化を早めることにも繋がります。
ガスシリンダーの交換は、取扱説明書の指示に従い、手で軽く締める程度で十分です。 「キュッ」と止まったところから、さらに力を込めて締め上げる必要はありません。
汚れの付着やメンテナンス不足
ソーダストリーム本体、特にガスを注入するノズル周りは、炭酸水を作る際に水滴が飛び散りやすい場所です。 この水滴を放置しておくと、水垢やホコリが付着し、パッキンに汚れが蓄積していきます。汚れが付着したままの状態が続くと、ゴムの劣化を促進させたり、パッキンと本体の間に隙間を作ってしまったりする原因になります。
また、内部にカビが発生してしまうこともあります。 定期的に湿らせた柔らかい布でノズル周りを拭き掃除するなど、基本的なメンテナンスを怠らないことが、パッキンを長持ちさせることにも繋がります。
ソーダストリーム本体のお手入れは、基本的に水で濡らして固く絞った布で拭くだけで十分です。 特に、ガスが注入されるノズル周辺は、使用後に水滴が残りやすいので丁寧に拭き取りましょう。洗剤を使用する場合は、中性洗剤を使用してください。研磨剤入りのクリーナーや鋭利な道具は、本体やパッキンを傷つける可能性があるので使用を避けてください。
ソーダストリームのパッキンは自分で交換できる?

パッキンの劣化が疑われる場合、「自分で交換できないだろうか?」と考える方も多いでしょう。しかし、その前に知っておくべき重要な点があります。ここでは、パッキンの自己交換に関する注意点や、パッキンの入手方法について解説します。
基本的にメーカーは自己分解を推奨していない
ソーダストリームのメーカーは、ユーザー自身による本体の分解や修理を推奨していません。 無理に分解しようとすると、他の部品を破損させてしまったり、元に戻せなくなってしまったりするリスクがあります。
また、保証期間内(通常は購入から2年間)に自己分解を行うと、メーカー保証の対象外となってしまう可能性が非常に高いです。 もしお使いのソーダストリームが保証期間内であれば、まずはメーカーのカスタマーサポートに連絡することをおすすめします。保証が適用されれば、無償で本体交換などの対応をしてもらえる場合があります。
自己責任で行う場合の注意点
メーカー非推奨であることを理解した上で、どうしても自分で交換に挑戦したいという場合は、全て自己責任で行う必要があります。作業前には必ずガスシリンダーとボトルを本体から取り外してください。
分解には、精密ドライバーなどの特殊な工具が必要になる場合があります。 また、内部の構造はモデルによって異なるため、お使いの機種の分解方法を解説したブログや動画などを参考に、慎重に作業を進める必要があります。少しでも不安を感じたら、作業を中断する勇気も大切です。
パッキンの種類と入手方法(純正品 vs 互換品)
ソーダストリームの交換用パッキンは、残念ながら公式サイトでは部品単体での販売は行われていません。そのため、自分で交換する場合は、純正品ではない「互換品」を探すことになります。
互換品のパッキンは、Amazonや楽天市場などのオンライン通販サイトで「ソーダストリーム パッキン」などと検索すると見つけることができます。 ただし、互換品を使用する際は以下の点に注意が必要です。
- サイズの確認: お使いのソーダストリームのモデルに適合するサイズのパッキンかしっかりと確認しましょう。サイズが合わないと、ガス漏れの原因となります。
- 品質と安全性: 互換品は純正品ではないため、品質や耐久性、安全性が保証されているわけではありません。レビューなどを参考に、信頼できる製品を選ぶようにしましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| メーカー修理・交換 | ・安心、安全 ・保証が適用される可能性がある |
・費用が高くなる場合がある ・時間がかかる場合がある |
| 自己交換(互換品) | ・費用を安く抑えられる可能性がある | ・メーカー保証対象外になる ・失敗のリスクがある ・部品の品質や安全性が不明 |
【自己責任】ソーダストリームのパッキン交換手順を解説
注意:これから説明する手順は、メーカーが推奨する方法ではありません。分解や部品交換はすべて自己責任で行ってください。作業によって生じたいかなる損害についても、メーカーおよび当記事は責任を負いかねます。
上記を理解した上で、パッキン交換に挑戦する方向けに、一般的な手順を解説します。機種によって構造が異なるため、あくまで一例として参考にしてください。
準備するもの
- 交換用パッキン(互換品): ご自身のソーダストリームのモデルに適合するもの。
- 精密ドライバーセット: マイナスドライバーやプラスドライバーなど、本体のネジに合うもの。
- ピックツールやつまようじ: 古いパッキンを取り外す際に使用します。
- 清潔な布: 内部の汚れを拭き取るために使います。
古いパッキンの取り外し方
- 本体カバーを外す: まず、本体のトップカバーや背面カバーを外します。多くのモデルでは、ネジで固定されているか、ツメで引っかかっている構造になっています。 ネジを全て外し、ツメを折らないように慎重にカバーを取り外します。
- 内部ユニットにアクセスする: カバーを外すと、ガスを注入するための内部ユニットが見えます。パッキンは、ガスシリンダーの先端が接続される部分や、炭酸を注入するノズルの根本あたりに位置しています。
- 古いパッキンを慎重に取り出す: ピックツールや精密ドライバーのマイナス、つまようじなど、先端が細いものを使って、古いパッキンを慎重にほじくり出すように取り外します。 この際、パッキンが収まっていた溝を傷つけないように十分注意してください。パッキンが硬化して固着している場合は、少しずつ丁寧にはがしていきます。
新しいパッキンの取り付け方
- 取り付け部分を清掃する: 古いパッキンを取り外したら、パッキンが収まっていた溝とその周辺を、清潔な布で綺麗に拭き、汚れや水分を取り除きます。
- 新しいパッキンをはめ込む: 新しいパッキンを指で溝に合わせて配置し、均等に押し込んでいきます。パッキンがねじれたり、浮いたりしないように、指や工具の背などを使って、溝にしっかりと収まるように丁寧にはめ込みます。
- カバーを元に戻す: パッキンが正しく取り付けられたことを確認したら、分解した時と逆の手順でカバーを元に戻し、ネジを締めます。
交換後のガス漏れチェック
組み立てが完了したら、必ずガス漏れのチェックを行います。
- ガスシリンダーを取り付ける: 本体にガスシリンダーを取り付けます。
- 音を確認する: 取り付けた直後に「シュー」という音がしないか、耳を澄まして確認します。
- 石鹸水を使う(推奨): より確実にチェックするために、ガスシリンダーの接続部分やパッキン周辺に石鹸水を少量塗布します。もしガス漏れがあれば、泡がブクブクと出てくるので、すぐに分かります。
もしガス漏れが確認された場合は、直ちに使用を中止し、ガスシリンダーを取り外してください。パッキンの取り付けがうまくいっていない可能性があるので、再度分解して確認するか、メーカーサポートへの連絡を検討してください。
パッキン交換以外の対処法とメーカー修理について
自分でパッキンを交換することに不安がある方や、試してみたけどうまくいかなかった場合は、他の対処法を検討しましょう。安全にソーダストリームを使い続けるための選択肢をご紹介します。
まずはメーカーのサポートに連絡
「故障かな?」と思ったら、自己判断で分解する前に、まずはソーダストリームの公式サポートに連絡するのが最も安全で確実な方法です。 オペレーターに症状を詳しく伝えることで、適切なアドバイスをもらえたり、保証の対象になるかどうかの判断をしてもらえたりします。
電話番号:0120-286-230
受付時間:9:00〜17:00(土日祝日、年末年始を除く)
保証期間(通常2年)が過ぎていても、問い合わせる価値は十分にあります。 故障の状況によっては、特別価格で新しいモデルに交換できるなどの提案を受けられるケースもあります。
修理に出す場合の流れと費用
ソーダストリームでは、基本的に部品単位での修理対応は行っておらず、「本体交換」での対応となることがほとんどです。
- 保証期間内の場合: 取扱説明書に従った通常の使用で故障した場合は、無償で本体を交換してもらえる可能性が高いです。 購入日を証明できる保証書やレシート、オンラインストアの購入履歴などを準備しておきましょう。
- 保証期間外の場合: 保証期間が過ぎている場合は、有償での本体交換となります。 費用は機種や故障状況によって異なりますが、割引価格で新しいモデルを購入できる提案を受けられることがあります。
いずれの場合も、まずはコールセンターに連絡し、指示に従って手続きを進めることになります。
本体買い替えも選択肢の一つ
長年使用したソーダストリームの場合、パッキン以外にも他の部分が劣化している可能性も考えられます。使用年数や修理(交換)にかかる費用によっては、思い切って最新モデルに買い替えるのも一つの有効な選択肢です。
最近のモデルは、ボトルの着脱がワンタッチでできるものや、炭酸の強さを電動で調整できるものなど、機能性が向上しています。 新しいモデルに買い替えることで、より快適な炭酸水ライフを送れるかもしれません。お使いの機種と最新モデルの機能を比較検討してみるのも良いでしょう。
ソーダストリームのパッキンを長持ちさせるコツ

パッキンの劣化は避けられないものですが、日々の使い方やメンテナンスを少し工夫するだけで、その寿命を延ばすことができます。大切なソーダストリームを長く快適に使い続けるために、ぜひ実践してみてください。
定期的な掃除とメンテナンス
パッキンを長持ちさせる最も基本的な方法は、本体を清潔に保つことです。 特に、炭酸を注入するノズル部分は水滴が付着しやすいため、使用後は乾いた柔らかい布で拭く習慣をつけましょう。
月に一度は、水で濡らして固く絞った布で、ガスシリンダーの接続部周辺や手の届く範囲の内部を優しく拭き掃除すると、汚れの蓄積を防ぎ、パッキンの劣化を遅らせることができます。この際、洗剤を使う場合は必ず中性洗剤を使用し、研磨剤やアルコールなどは避けてください。
ガスシリンダーの適切な取り付け
ガスシリンダーを交換する際は、力を入れすぎないことが重要です。 斜めにならないようにまっすぐ挿入し、手で回して抵抗を感じたら、そこで止めましょう。無理に締め上げるとパッキンに不要な圧力がかかり、変形や損傷の原因となります。
逆に緩すぎてもガス漏れの原因になるため、「固くもなく、緩くもなく」を意識して、適度な力で取り付けることがパッキンへの負担を減らすことに繋がります。
保管場所に気をつける
ソーダストリーム本体の保管場所も、パッキンの寿命に影響します。ゴム製品は、高温や紫外線に弱い性質を持っています。そのため、以下のような場所は避けて保管しましょう。
- 直射日光の当たる窓辺
- コンロや暖房器具の近くなど、高温になる場所
- 湿度が高すぎる場所(カビの原因にもなります)
キッチンの中でも、比較的涼しく、風通しの良い場所に置くことが、本体だけでなくパッキンを長持ちさせるための秘訣です。
まとめ:ソーダストリームのパッキン劣化を見逃さず、快適な炭酸水ライフを

この記事では、ソーダストリームのパッキン劣化について、そのサインや原因、対処法を詳しく解説しました。
- 劣化のサイン: 「ガスの減りが早い」「異音がする」「水漏れ」「炭酸が弱い」などが主なサインです。
- 劣化の原因: 経年劣化、ガスシリンダーの不適切な取り付け、メンテナンス不足が考えられます。
- 対処法: まずはメーカーサポートへの連絡が最も安全です。保証期間内であれば無償交換の可能性もあります。自分で交換する場合は、メーカー非推奨であることを理解し、自己責任で行う必要があります。
- 長持ちのコツ: 定期的な清掃、適切なガスシリンダーの取り付け、適切な保管場所を選ぶことで、パッキンの寿命を延ばすことができます。
ソーダストリームの「いつもと違う」という小さな変化は、パッキンが劣化している重要なサインかもしれません。これらのサインを見逃さずに適切に対処することで、これからも安全で美味しい炭酸水を楽しむことができます。この記事が、あなたの快適なソーダストリームライフの一助となれば幸いです。



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